« ヤコブ 3:12 いちじくの木とオリブの実 | トップページ | ノート術 »

ヤコブ3:13 知恵があり物わかりのよい人は、だれであるか

Τίς σοφὸς καὶ ἐπιστήμων ἐν ὑμῖν δειξάτω ἐκ τῆς καλῆς ἀναστροφῆς τὰ ἔργα αὐτοῦ ἐν πραΰτητι σοφίας.

 (口語訳 3:13)
 あなたがたのうちで、知恵があり物わかりのよい人は、だれであるか。
 その人は、知恵にかなう柔和な行いをしていることを、よい生活によって示すがよい。

---
口語訳、新共同訳では「誰であるか?」と尋ねてますね。
うーむ。でも疑問文という感じでもないような。

あと「知恵にかなう柔和な行い」というところが難しいな。
「その行い」という風に「その」と付いてるのですが、「知恵にかなう柔和な行い」と訳すと、「その行い」が指してるものが分かりにくいような…。
「その行い」の「その」は「知恵と見識ある者」を指してそうなので、「知恵の柔和さ」とは別に「その」という語も残した方が良さそうな気がします。「智恵のあるものは、智恵のあるところを見せてみなさい」ということでしょう。

「よい生活」というと、僕には金銭的に豊かな生活という意味にちょっと誤解してしまいます。
生き方とか、ふるまいというような語であるようです。その訳の方がよいかな。

Τίς σοφὸς καὶ ἐπιστήμων ἐν ὑμῖν
誰か、あなた方のなかの知恵のある者、また見識ある者は、
δειξάτω ἐκ τῆς καλῆς ἀναστροφῆς
良いふるまいによって示しなさい
τὰ ἔργα αὐτοῦ
その行いを
ἐν πραΰτητι σοφίας.
知恵の柔和さにおいて

訳文としては、
「あなた方のなかの知恵と見識ある者は、良いふるまいによって、知恵の柔和さにあるその行いを示しなさい」
のような感じでしょうか。

3章では、ヤコブは、多くのものが教師となるなと言ってます。
言葉で失敗して厳しい裁きを受けることになるぞと。
舌は制御が難しく、大言壮語するものなのだ、とヤコブは諭しています。

そして4章を見ると、教会内で罵り合いの論争が生じていたらしいことが語られています。
つまり、信徒のなかに教師のように教える人々が大勢いて、彼らの教えが混乱を生じ、罵り合いになっていたのでしょう。
ヤコブはそれに介入して、揉め事を治めようとしているようです。

教師のような顔をして、偉そうに教えていた人々によって、教会内の貧しい人たちは冷遇されてしまった。
揉め事の中心にいた「教師」は、パウロの神学に影響された人々だったのではなかと思います。
僕のイメージではその「教師」は非ユダヤ人のヘレニストで「律法に頼るものは、キリストとは無縁だ」などと言って、ユダヤ系の律法を遵守するキリスト教徒を困らせていたのではないかなと想像します。
ヤコブは見かねて「行いのない信仰は、それ自身では死んだものだ」とパウロ神学を牽制してみせたのかなと思います。

そして罵り合っている教会へ、ヤコブは「君たちのなかで我こそ知恵ある者だというものが居るんだったら、罵ってないで、ふるまいで知恵者であるところを示してみなさい」と言ってるのでしょう。

たぶん、「教師」とされる人々はそこそこ裕福で、教育もあったのではないかなと思います。
でも、貧しい人たちを馬鹿にしていた。
ヤコブは、知恵の欠ける人たちには、「神に求めよ」と教えている。
知恵が神から与えられると信じれば、与えられる。
その知恵は、柔和なふるまいで示しなさい。
でも疑っているようならば知恵は与えられない。
疑う者は、風に吹き上げられる波のように不安定だ。…これは「教師」の教えに影響されて、不安になったり、怒ったりしていることを指しているのではないでしょうか。
(「教師」たちではなく)神から知恵を求めなさい、とヤコブが語る理由はそのあたりにあるかなと。
みんな「教師」になるな、言葉において誤りを犯して、厳しい裁きを受けることになるぞ。

まぁ僕のイメージでは、そういう話をヤコブさんがしているのではないかなと思いますね。

↓ランキング参加します。クリックお願いします。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 聖書・聖句へ
にほんブログ村

|

« ヤコブ 3:12 いちじくの木とオリブの実 | トップページ | ノート術 »

新約聖書 ヤコブの手紙 ギリシャ語」カテゴリの記事

ヤコブの手紙 3:1~」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ヤコブ3:13 知恵があり物わかりのよい人は、だれであるか:

« ヤコブ 3:12 いちじくの木とオリブの実 | トップページ | ノート術 »