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ヤコブ 3:4 操縦者の思いのままに運転される

ἰδοὺ καὶ τὰ πλοῖα τηλικαῦτα ὄντα καὶ ὑπὸ ἀνέμων σκληρῶν ἐλαυνόμενα, μετάγεται ὑπὸ ἐλαχίστου πηδαλίου ὅπου ἡ ὁρμὴ τοῦ εὐθύνοντος βούλεται,

(口語訳) また船を見るがよい。船体が非常に大きく、また激しい風に吹きまくられても、ごく小さなかじ一つで、操縦者の思いのままに運転される。

ἰδοὺ / (見よ) 動詞 第二アオリスト中動命令 二人称単数
καὶ / (また) 接続詞
τὰ / (冠詞) 冠詞 主格複数中性
πλοῖα / (船) 名詞 主格複数中性
τηλικαῦτα / (大変大きな) 主格複数中性
ὄντα / (ある) 動詞 現在能動分詞 主格複数中性
καὶ / (また) 接続詞
ὑπὸ / (~によって) 前置詞
ἀνέμων / (風) 名詞 属格複数男性
σκληρῶν / (強い) 形容詞 属格複数男性
ἐλαυνόμενα / (動かされる) 動詞 現在受動分詞 主格複数中性
μετάγεται / (指導される) 動詞 現在受動直接 三人称単数
ὑπὸ / (~によって) 前置詞
ἐλαχίστου / (とても小さな) 形容詞 属格単数中性
πηδαλίου / (舵) 名詞 属格単数中性
ὅπου / (どこへでも) 副詞
ἡ / (冠詞) 冠詞 主格単数女性
ὁρμὴ / (意向) 名詞 主格単数女性
τοῦ / (冠詞) 冠詞 属格単数男性
εὐθύνοντος / (舵を取る) 動詞 現在能動分詞 属格単数男性
βούλεται / (思う) 動詞 現在中動直接 三人称単数

ἰδοὺ 
はよく出てきます。これは第二アオリストです。
意味は普通のアオリストと同じですが、語尾は未完了過去と同じになります。
第二アオリストは「動詞幹」からつくる。
不規則動詞は、「動詞幹」は「現在幹」とかたちが違うので注意しないといけない。

「見る」という語は現在形がまるで違う形です。
「ὁράω 見る」、「εἴδω 見た」、第二アオリストだと意味は同じだけど形が変わって「εἶδον 見た」 。
命令法なので「εἶδον」の頭の加音をはずして、語尾を中動層の命令法の「οῦ」にするのだけど、アクセントが違いますね。
辞書を見ると「命令法の曲アクセントを重アクセントに変えて間投詞化している」とのこと。
(biblos.comのパージングだと中動なのに能動と間違ってますね。それだと語尾が違うのでちょっと悩みました)

第二アオリストの変化表はこちら

ἰδοὺ καὶ τὰ πλοῖα で「また、船を見よ」ですね。

τηλικαῦτα はτό + ἡλίκος + οὗτος が組み合わさっているそうです。
ἡλίκος は、ヤコブ 3:5に出てきます。「いかに(大きな)~か」という感じの表現に使うみたい。
τό + ἡλίκος + οὗτος の組み合わせだと、「これはいかに」という感じに見えますが、「非常に大きい」というような意味だそうです。

ὄντα はεἰμί の現在分詞ですね。
分詞は第三変化(ντ 語幹)と同じ変化の仕方ですが、ほぼεἰμί の現在分詞を語尾につければいいだけなので、まずこの変化を覚えると便利なんでしょうね。
下記の表のように主格単数の形がほかと違っていて、不規則な印象を与えます。
語尾がそこが変化して消えてしまって不規則な形になっています。
単数の属格(Genitive)の形を見ると、「ὄντος」になってますが、こちらに本来の語幹が現れています。「語幹 ὄντ + 属格の語尾 ος」という形が現れています。
主格単数だと「ὄντ + 主格単数の語尾 ς」がつくと、「τς」が消えてその前の母音が長母音化する(結果ὤν になる)。

NumberSingularPlural
Case \ GenderMasculineFeminineNeuterMasculineFeminineNeuter
Nominativeὤν οὖσα ὄν ὄντες οὖσαι ὄντα
Genitiveὄντος οὔσης ὄντος ὄντων οὐσῶν ὄντων
Dativeὄντι οὔσῃ ὄντι οὖσι(ν) οὔσαις οὖσι(ν)
Accusativeὄντα οὖσαν ὄν ὄντας οὔσας ὄντα
Vocativeὤν οὖσα ὄν ὄντες οὖσαι ὄντα

「τηλικαῦτα ὄντα 」で、「巨大な(る)」ぐらいの意味でしょうか。

「καὶ ὑπὸ ἀνέμων σκληρῶν ἐλαυνόμενα」のあたり。
「ὑπὸ + 属格」で「~によって」となる。
「強い風 ἀνέμων σκληρῶν」の属格なので、「ὑπὸ ἀνέμων σκληρῶν 」は「強風によって」ですね。

ヤコブ 1:6の譬えに「風に吹き上げられる ἀνεμιζομένῳ」という動詞が出て来てます。

「運ばれる ἐλαυνόμενα」は、たぶん-μενος, -μένη, -μενονと変化するタイプの分詞(変化の表はこちら)
…すみませんね、いい加減な調べ方で。

なので、「καὶ ὑπὸ ἀνέμων σκληρῶν ἐλαυνόμενα」は、「強風に運ばれ(る)」というような意味かな。

「μετάγεται ὑπὸ ἐλαχίστου πηδαλίου」のあたり。
「指揮する μετάγεται」は「~伴って μετά + 指導する ἄγω」が組み合わさっている語だそうです。
「ὑπὸ ἐλαχίστου πηδαλίου」は、「ごく小さな舵によって」という感じ。
「μετάγεται ὑπὸ ἐλαχίστου πηδαλίου」で「ごく小さな舵によって制御される」ぐらいの意味でしょうか。

「ὅπου ἡ ὁρμὴ τοῦ εὐθύνοντος βούλεται」は「操舵手の望む意向のどこへでも」ぐらいの意味でしょうか。

全体の訳としては、
「また、船を見よ、巨大で、強風によって運ばれるが、ごく小さな舵で、操舵手の望む意向のどこへでも制御される」
という感じでしょうか。

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