« 2009年7月 | トップページ | 2009年9月 »

2009年8月

ジョン・ヒューストン監督の「天地創造」を観た。

ジョン・ヒューストン監督の「天地創造」を観た。
本で読んでいると、色々誤解したイメージを勝手に作り上げてしまっているので、それを訂正するためにもちょっと見てみようかなと。
映画だと脚色されている部分はともかく、時代考証されてそこそこ正確なイメージが再現されているのではないかと。

ジョージ・C・スコットがアブラハム役だったんだ。パッケージを見ても気づかなかった。
族長としての威厳もあるし、イサクを犠牲に捧げねばならなくなり苦悩する姿もいい感じです。

ジョン・ヒューストンがノアを楽しそうに演じています。
動物たちと平和に過ごすイメージを、もっとエデンの園の場面で入れてほしかったのですが、むしろ箱舟のシーンでそれを補うのは正解なのかも。楽しい場面になってます。

わりと正確に聖書の通り演出しているのだけど、ちょっとした部分で「あれッ、違うな」と思ってしまった。
ノアが箱舟に乗りこんだら「主は、ノアの後ろで戸を閉ざされた」とあるので、僕のイメージでは動物たちと一緒に乗り込んで行くと、ノアの後ろでバターンと戸がしまってしまう感じなんですが、ノアたちが自分で閉めてますね。乗り込むメンバーを最終的に決定しているのがヤハウェであるという演出が、結構重要な気がするのですが。

あと、終盤の方ですが、イサクが先祖の名前を覚える場面があって、
「私を成した先祖は箱舟を作り家族を救ったノアに始まり、セムからアルパクサデ、シラ、エベルと続き」と先祖の名前を挙げていた。
ノアからカウントするのか。
アダムからカウントするものとばかり思っていたや。イエスの系図のようにさかのぼるわけではないのだな。
(創世 10:22)の記述も、ノア以降の子孫を数えているので、イスラエルの人々はそうやってカウントしていたのだろうか。

アダムとエバのあたりに不満が集中してあります。
この場面はテンポが悪い。
…アダムが青い目をしたブロンド野郎なのですが、へブル人の特徴をもった役者にした方がいいのじゃないの。
ヘビが「エバ、エバ」と呼びかけたり。
アダムより先にエバと呼ぶと、ヘビが名付けたかのような印象を受けるけど。
エバ(命)という名前の由来…すべて命ある者の母になるという運命を負ってから、この名前が出て来るのでないと落ち着かない。
あぁ、でも語源的な説明は映画だと分かりにくいので、このあたりは捨てたのかなぁ。アダムが土(アダマ)の塵からつくられるという語源の説明もなかったし。

巧いなぁと思ったのは、農作業をしているカインに神が「お前の弟アベルは、どこにいるのか」と尋ねると、
カインは空を見上げて、「知りません。わたしは弟の番人でしょうか」という場面。
空を見上げると、太陽があり、眩しくて直視できず、カインは手で光をよけながら話すのですが、その手にベットリ血がついている。
神を直視できない罪の意識と、血塗られた手という視覚的なイメージの組み合わせに、はっとさせられます。

あと巧いなと思ったのは、終盤にアブラハムとイサクが、崩壊したソドムを通過する場面(聖書にはない)。
ソドムの住民全員が滅ぼされたことについて、イサクが「子どもにも罪があったの?」と尋ねる。
イサクは、焼け残った子どもの頭がい骨を見る。すると、頭蓋骨の目からヘビが這い出してきて、ゆっくりと廃墟の街の地の裂け目に消えてゆく…というショット。
子どもですら呪われた存在であったことを暗示させる不気味な演出です。
(今、ソドムの話を映像化したら、もっと安直に「悪魔的な子供」を登場させて「こんな餓鬼は死んで当然だ」と感じさせるような演出にしてしまうと思う。それはそれで差別的な演出になりそうだ)
ソドムの子供に罪があったのか、について一つの解釈を提示しておかないと、神は絶対だという「イサクの燔祭」の場面の意味が分からなくなってしまうので、これはこの解釈が好きかどうかはともかくとして、重要な演出だなぁと思った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アニメなど

「空を見ろ。鳥だ。飛行機だ。スーパーマンだ」
「タケちゃんマン」で言ってたパロディしか知らないので新鮮です。

「メカニカルモンスター」は、宮崎駿監督がルパン三世の「さらば愛しきルパンよ」でパクッたので知られている作品。
古いアニメだけど、なんだかよくできてます。
フルアニメなのでしょうか。滑らかな動きで、空に飛び上がる時の浮遊感がいい感じです。
飛ぶ時に、跳躍して滑空してゆく感じを演出している芸の細かさが好きですね。

あと、犯人は逃げようとしたのか自殺しようとしたのか。
スーパーマンはとっつかまえて逮捕しますが、ちょっと犯人も救っている面もあるのが良くできたシナリオです。
1940年代でこれができるのかぁ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

映画など

ルイ・マル監督「鬼火」
主人公は、アル中の療養中に妻に見捨てられたと感じている男。
妻に捨てられるのを恐れ、先に彼女に別れを告げる電報を送る。

部屋には彼女(と彼の愛人)の写真があふれている。
鏡に書かれた日付は彼が自殺を予定している日である。
机に向かって熱心に書いているのは…おそらく遺書。
遺書はいわば彼にとって作品である。
鞄のなかにバラけたトランプが散らばっている。
…そこからピストルを取り出し、遊底の具合を確認する。

散文的な描写のなかで、彼の虚栄心と、死へと傾斜していく姿が浮き彫りにされていく。

youtubeの映像は途中カットされているけれど、
それでも…やっぱり良くできたシークエンスだなぁと。

美しくもなく、神聖でもなく、荒涼とした気分になるけど、
現代人の心の現実をとらえているような…。
いや、すでにこういう精神性を失ってしまって、嬉しいとか楽しいとかばかり追っかけているのか。
「鬼火」の主人公は病んでいるけど、このアウトサイダー性に共感してしまうのだなぁ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

子供向けギリシャ語教育サイト

子供向けのギリシャ語教育サイトを探してみました。

英語だけど、なんだか分かりやすい。(ギリシャ語を解説している本って難しくて…直感的に分かるようなものがあればいいなと…面倒がっているだけなのですが)
LESSON  Aは、冠詞と語尾が男性・女性・中性によって変わるのが分かりやすい感じ。
LESSON  B は、それらの単数・複数などの変化が分かりやすい。
http://www.anotek.com/PREVIEW2.HTM

ゲーム感覚でボキャブラリーを増やしてゆく。
色しかやってないけど。結構文字が消えるのが早くて、記憶するのに必死になります。でも楽しい。
http://www.digitaldialects.com/Greek.htm

| | コメント (2) | トラックバック (0)

佐竹明著「ヨハネの黙示録」中巻

昔「現代思想」という雑誌で、聖書に関する特集をやっていた。

そこに田川建三氏も寄稿されていて「聖書をめぐる障壁」のなかで下記のように評していた。(「現代思想」98年4月「聖書は知られているか」p63)

「(「現代思想の『聖書は知られているか』の特集について」)本誌のこの特集には、残念ながら佐竹明さんが登場しない。彼の書いたヨハネ福音書の註解書(新教出版社、上下二巻)は、現在のところ、世界で存在する黙示録の注解書の中で最もすぐれている。それも、群を抜いてすぐれている。西洋語で書かれた重要な註解書(W・ブセットやR・H・チャールズなどの古典をはじめてとして)と比べても、はるかにすぐれている。今彼は、この注解書をさらに展開して、ドイツ語版を新しく書き下ろす作業をしている。その彼が本誌で黙示録について書いてくれるとよかったのだが、ひどくお忙しいということで、仕方がない」

おぉ、そんなに凄いのか。
それはぜひ読んでみたいものだと思ったものです。
その佐竹明氏の「ヨハネの注解書」は2007年に上巻が発売されました。上巻は序論です。

先日書店に行ったら中巻が発売されていた。中巻から本文が始まります。1-11章について注解されています。

黙示録って正直何を書いているのかよく分からないし、ホラー映画にちょいちょい引用されるので興味は持つけど読んでみても何を書いているのだかピンとこない。
時代背景や、どのような人物が書いているのか、なんでこんな表現になっているのかなどなどよく分からず。モヤモヤした疑問ばかりの書です。

D.H.ロレンスの「黙示録論 現代人は愛しうるか」を昔読んだけど、黙示録が歪んだ劣等感と優越意識にまみれた本だと、くどくど主張したような本で、くど過ぎてロレンスにこそ変な劣等感があるのじゃないかと勘繰りたくなるようなものでした。あんまり参考にならなかった。

「田川建三の私塾で学ぶ」というブログではヨハネ黙示録の講義のようすがあります。
佐竹明氏の註解書について、さっそく批判してますね。
http://oinos-elaion.blogspot.com/

有名なサイトですが「聖書の呼ぶ声」の「新約略解44週」の解説がもっとも分かりやすいように思えます。
http://www.asahi-net.or.jp/~zm4m-ootk/

| | コメント (2) | トラックバック (0)

語学

こちらのブログは凄いなぁ。

LIKELUKE's Theological/Missiological Reflections
ttp://likeluke.way-nifty.com/theomissrefs/

とくに8月からの「ルカ19:1-10」。こんな風に研究するものなのですね。
ttp://likeluke.way-nifty.com/theomissrefs/2009/08/index.html

語学って凄いな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

笑い

らばQ」で紹介されていた動画。
面白いなぁ。
ブロンドの少年は真面目くさった顔しているので、観客は笑っていいのかちょっと戸惑う。
隣の少年はニャオが決まると、ちょっと片頬で笑いますね。

このところお笑いで見かける「変な外人ネタ」の嘲笑したような嗤いにどうも食傷気味していて…。
こういう尖がっていないユーモアがとても新鮮に感じます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年7月 | トップページ | 2009年9月 »