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佐竹明著「使徒パウロ ―伝道にかけた生涯」を読んだ

佐竹明著「使徒パウロ ―伝道にかけた生涯」を読んだ。
神学がどうこうというよりも、書簡と使徒行伝の記載の史料研究が中心という感じの本です。
とくに使徒行伝には護教的な傾向があり、そのまま史実と考えるわけにもいかない部分があるのですが、
佐竹氏はそのあたりもとても巧く取り扱ってみせてくれます。

行伝の史料の問題などは、トロクメの「使徒行伝と歴史」などを読んで研究するものなのでしょうけど、結構難しくてあまり覚えてなかったりします。
ルカの研究としては「時の中心」は結構面白かったですが。

使徒行伝において、何が語られていて、何が語られていないか。
そういったことについて、佐竹氏のようにサラッと書いてもらった方が理解しやすいようです。

ですが、一般向けの本みたいなのですが、そのわりには小難しい印象です。
基本的には外堀を埋めて行くような史的考察が中心ですが、そうしてパウロが懸命にかかわっていた問題を浮き彫りにしてゆきます。

>彼にとって一層悲劇的であったのは、彼の死後の教会が、彼がいわば生命をかけて関わったこの問題を、もはや少しも重要としなくなったことである。(p258)

というあたりを読むと、ちょっと感傷的な気分になります。

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