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ヤコブの手紙 1:8

ἀνὴρ δίψυχος ἀκατάστατος ἐν πάσαις ταῖς ὁδοῖς αὐτοῦ.

(口語訳) そんな人間は、二心の者であって、そのすべての行動に安定がない。

ἀνὴρ /ἀνὴρ (人) − 名詞: 主格 単数 男性
δίψυχος /δίψυχος (二心の) − 形容詞: 主格 単数 男性
ἀκατάστατος /ἀκατάστατος (安定を欠く) − 形容詞: 主格 単数 男性
ἐν /ἐν (in) − 前置詞
πάσαις /πᾶς (全て) − 形容詞: 与格 複数 女性
ταῖς /ὁ (the) − 冠詞: 与格 複数 女性
ὁδοῖς /ὁδός (道) − 名詞: 与格 複数 女性
αὐτοῦ /αὐτός (~自身の) − 人称 / 所有代名詞: 所有格、属格 単数 男性

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動詞がない文章。省略された動詞を補って訳しているケースが多いようです。
何が略されているのか、僕は想像もつかないので、単語をそのままつなぐと、
「彼のその全ての道において、安定を欠く二心の者(は)」

口語訳の「二心の」という訳は、見事なぐらいそのまま直訳されている。
「心」にあたる部分はサイコという語ですね。英語のpsycheのスペルの「ps」はギリシャ語の「ψ」(ps)から来てたのですね。

「安定を欠く」という語も、たぶんστατος という語が組合わさってできた語な感じですが、ちょっと調べ方が分かってないです。
2ペテロ 2:14「彼らは心の定まらない者を誘惑し…」( ἀκαταπαύστους )に似た語があります。
2ペテロ 3:16の「…無学で心の定まらない者たちは、ほかの聖書についてもしているように、無理な解釈をほどこして、自分の滅亡を招いている」も。
これらは同じようなことを指しているようです。
2ペテロは、正統派意識というか、異端を排除しようという文脈になっているみたいですが。
ヤコブの手紙の方には、異端を排除してやろうという意図は今のところは感じないです。でも当時、教義の解釈の混乱があって、それに動揺している信徒がいたのではないかと思います。その点は2ペテロの状況と近いのではないでしょうか。

ヤコブは、「無学で心の定まらない人」が、他人の解釈に影響されてひどく不安に陥っているので、
何をやっても心の安定を欠いてる者は、神から何ももらえないぞ、と落ち着くように言っているようです。

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コメント

一般的には、動詞が無い場合は、英語で言うbe動詞を補って考えるのが最初にする作業です。

投稿: woody63 | 2009年3月21日 (土) 03時13分

woody63 さんコメントありがとうございます。

ギリシャ語は色々省略するようですので難しいです。
be動詞を補うのですね。なるほど。

ですが、この部分は1:7の「そういう人」を説明してる部分のようです。
今風に書けば、 () をつけて補足するような表現なのではないかと思えます。
つまり、
「そういう人(そのすべての行動に安定がない二心の者)は、主から何かをいただけるもののように思うべきではない」
と書いているつもりなのではないでしょうか。
なので、名詞の説明だけになっていて、動詞がないのかも。

動詞を補って文章にすると、前分の補足の文章のニュアンスが消えて、「二心の者」になったらこうなるのだと話が展開しているような文になってしまいそうです。
(…実際そういう文章なのかも知れませんが)
ですので、この場合は、動詞を補わない方がよいかも知れないなぁと思ったりもします。

投稿: KAZIST | 2009年3月21日 (土) 09時25分

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